会社員にとって管理職になることは、能力が評価された証しであり、給与が増えるなど喜ばしい事態といえるでしょう。しかし管理職ならではの苦労もあり、できれば管理職は避けたいというITエンジニアは少なくありません。ITエンジニアが管理職になるメリットとは、どのようなものなのでしょうか。

これまでは現場の第一線で活躍する技術者でしたが、管理者になると経営サイドに立場が変わります。携わる作業も上流工程となり、経営側の視点からプロジェクト全体を見通すことができます。広い視野が培われると同時に、プロジェクトの決定権が得られるので、思い通りに仕事が進めやすくなるのがメリットです。プロジェクトの管理を通じてマネージメントスキルを磨くことで、技術力以外のビジネススキルを大きく伸ばすことができます。ITITエンジニアは独立を希望する人も多いため、管理職として経営サイドの視点を培い、プロジェクトの中枢に関わる経験は、独立後にも多いに役立つことでしょう。

一方でデメリットといえるのは、プログラミングなどの現場作業が減ることです。スキルを極めたい人にとっては、フラストレーションを感じることも多いでしょう。また、プロジェクトの中枢を担うので責任が重くなり、目標達成へのプレッシャーが大きなストレスになる人もいます。管理職はマネージメント業務なので、人間関係に軋轢が起きやすいのもデメリットといえるでしょう。

このようにデメリットもありますが、管理職はこれまで培ってきた能力を、今以上に発揮できるポジションです。これまでの非生産的な働き方を改善してより良い職場環境作りに貢献するなど、管理職ならではのやりがいが見いだせることでしょう。